昭和27年「主婦と生活」 新年号付録 「家庭洋裁全集-流行のスタイルから実用小物まで~」

昭和27年の「家庭洋裁全集-流行のスタイルから実用小物まで~」をヤフオクで入手しました。
20年代~30年代の婦人雑誌の付録の洋裁本です。

20年代~30年代の婦人雑誌の付録の中でも……これはとりわけ個性が強いです‼

仕上がり完成図が全部「絵」

ずらっ~と記事画像全体をざっと見てもらえば、分かると思いますが、洋服の仕上がり完成図が全部「絵」なんです!
昔は写真が不鮮明なので、「絵」で説明する事は、現在より多いのです。
しかし、昭和27年で全て絵なのは、きわめて珍しいようです。

 

ヤフオクで、5~6年ぐらいの差で同じ年代の婦人雑誌の洋裁本を確認しました。
ほとんど服の仕上がり完成図は昭和20年代でも写真でした。
この本と同じ「主婦と生活」の……この本より数年前の昭和25年の付録も写真でした。

同じ昭和27年の他の号も確認した限り写真でした。

 

要するに昭和27年の「主婦と生活」 新年号の付録のこの本… 「家庭洋裁全集-流行のスタイルから実用小物まで~」だけが「絵」のみで、服の完成図を表現しています。

完成図が絵のみ‼……他にない個性だと感じた私は、この本に強く惹かれて、落札しました。

何故、この本だけ「絵」なのか考えられる理由。

●洋服を作るのが間に合わず撮影できないまま締め切りが来て、元々描いてたスタイル画のみで本を製作。

●撮影したけど、フィルムを間違えて感光させ使い物にならない…もしくは二重露光などで、撮影した画像が使いものにならなかったなど、フィルム撮影に多いミス。

●スタイル画がそこそこ出来がいいので、撮影する必要を感じず、このままスタイル画で本にしようと思った。

新型コートとアクセサリー

この絵のスタイル画の数々が中々ステキですよね……(*'ω'*) ウエストをきつく絞った服が多いですね。短髪気味な人が多いですね。あんまり髪の毛長くない人が多いです。
長いのは、古くさい感じなんでしょうね。戦前チックになり……。

ブラウスとスカート

絵だけあって、無地っぽく描かれているものが多いですね。服地の模様は、あまり細かく描いていられないですね。

絵だからどんな布かは作るものの自由な感じがいいところです。
たとえば昭和の古い洋裁本に載っている服を作る時、

嫌なのは、同じ布や同じような素敵なデザインの布が手に入らず、作るにあたりガッカリさせられる事が多いです。
しょせん、令和の今、昭和の洋服を作るのは布も手に入らず無理だと感じてします。

この本みたいに、布が細かく描かれてないなら、各々の想像やまんま無地にするなりできます。

この本なら、布が手に入らない事によるスタートからのガッカリ感とは無縁です。
ただ、当時の布地のデザインが分からないという欠点もあるでしょうけど……。

ワンピースと造花・ジャボ

『ジャボ』とは……?  フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ジャボ(仏: Jabot)とは、近世にヨーロッパで用いられていた襞の付いた胸の飾りのことである。

主にレースで出来ており袖口と共に装飾の役割を果たしていた。現在のネクタイとして用いられており、付け外しの出来る物や一体化した物まで存在した。立襟や詰襟、折襟の背広や軍服に用いていたがスカーフや蝶ネクタイが流行し姿を消した。現在は社交界や王室、議会、法廷弁護士で用いられている。

ツーピスとジャケット

 

愛らしい子供服と小もの

上↑の右寄りのまん中の下の方に描かれている子供。(ゾウさんのぬいぐるみの左隣)
通学服だけど、これって普通、親が作るものでしょうか?小学生用の制服です。

↑上の画像の右側の上に描かれているセーラー服の子。セーラー服を手作りして、学校に着ていく事もあったのか、色々謎です。
さすがに制服は手作りしないと思うけど、どうでしょう……。地域差もある話なので、いかんともいえないです。

 

幼児服とベビーセット

 

あたたかな冬の小もの

 

外出着とネックウェアー

昭和の頃は洋裁専門誌でなく普通の主婦雑誌の付録にしては、作る洋服のレベルが高いですね……。
尚、皆が裁縫が出来る当時でもコートを普通の主婦が作れるんでしょうか?

本には難しいのを掲載しているけど、実際、作れる人はそう何人もいるのかはなはだ疑問です。昭和の頃は皆、洋裁するとはいえ……。

ブラウスとスカート

左の黄色いジャケット着た女性は、かなり当時としては、かなり画期的でカジュアルな恰好ではないでしょうか。

パンツスタイルなうえにカジュアルなボーダー柄をジャケットの下に着て、昭和50~令和の現代でもおかしくない感じもします。

通学着とあそび着

 

赤ちゃんものと家庭着

着物来て割烹着…。さらに「おんぶ」紐。いかにも昭和の赤ちゃんですね。昭和20~30年代初頭の雰囲気です。

きもの用の防寒着

重宝な実用小もの

洋服は難しいけど、この小物類なら今の自分の実力でも作れそうだと思っています。まん中の鏡台カバーなどがなかなか素敵。

上↑の画像の左上のLoneamと刺繍された枕カバーの拡大画像↓↓↓


Loneam ラテン語で「寂しい」の意味。↓↓下の枕カバーの刺繍の意味を調べました…。とんでもない意味の枕カバーですね。嫌な内容です。
プレゼントにするのは、まずアウトな枕カバーです。

アップリケ

アップリケの図案は昭和らしくてかわいいモノ。
アップリケで活かした鏡台かけ…御所人形のデザインが可愛いです。姿見用の大きな鏡があるけど、鏡台はうちには現在ありません。
もし仮に作るとしても、全身鏡用になるので、大きさを大きくしないとダメです。

アップリケの技法の解説も一応、されているのが興味深いです。当時のやり方が分かります。

おそらく当時のアップリケと今のアップリケは、少しやり方が違っていると思います。
アップリケは、ほぼやった事が無いので、あまり知らないです。でも、現代と当時が多少違う事は検討がつきます。
現在のアップリケは接着芯を用いるそうですが、昭和27年当時は日本に接着芯なるものはありません。
技法が今と異なるでしょう…。

↑上の画像には、接着芯を用いないかわりに薄い日本紙(和紙の事でしょう)をはりつけるという記載があります。
和紙では洗ったらダメにならないか疑問です。

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